胎土について


焼き物は、釉薬と素地(きじ)でできている。釉薬に対してボディーをなす粘土の部分である。 焼成前の粘土(素地)を坯土(はいど)ともいう。 これは、原粘土を精製・水分調整して轆轤(ろくろ)を引くばかりの状態にした物である。 

ほとんど同じ意味で、胎土と言うこともある。 粘土ありきで焼き物が生まれるので、胎土とは、いかにも土に対する慈しみが込められた言い方とも言える。
私が使う胎土は、静岡県浜名湖の西にある湖西市から掘り出した湖西土を使っている。かつて、湖西市商工会から依頼されて分析調査した時に、この土が天目にもってこいの胎土であることがわかった。 

1300℃以上の温度に耐えて轆轤が引ける胎土は、ほとんど市販されていない。 もし信楽の土を1300℃で焼いたら、ブローチング(発砲)が起ったり、歪んだりして悲惨なことになる。
(耀変天目は1300℃以上の焼成温度が必要になります。)

掘り出した湖西土を商工会からもらい受けて4トンストックしてある。今、湖西土を使用している陶芸家は私一人かもしれない。

その縁で、私の作品は湖西市にある道の駅(汐見坂)で展示販売されている。(展示販売しているのは汐見坂と、本HPのみです。)写真の耀変天目茶碗はその道の駅で展示販売されている一品です。

湖西で掘った胎土を使っているので、私の耀変天目茶碗は、「湖西焼」ともいってもいいのかもしれない。 湖西商工会のHPのリンクは以下の通り。

耀変天目

世界に3個しか存在しない日本の国宝「耀変天目茶碗」の謎を解明すべく奮闘する研究者の作品を展示する。

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