耀変天目の世界 by 大平陶磁器研究所

上の写真は平成29年中にできた私の作品です。

今年2017年の正月にTV「お宝~ 」で「4番目のようへん天目茶碗に間違いありません。」と宣言して物議を醸し出した。 私は、大間違い・・だと思った。

瀬戸の陶芸家の長江氏が、中国で購入した2000円の天目を提示し、これと同じ現代の代物で、あれは偽物だ!! と異議を唱えた。 勇気ある物言いだと思った。 曜変を目指して日夜身を削って試行錯誤を続ける陶芸家にとって、あれが、目指すようへん天目だといわれたら 「君の目指してる雲上の山頂とは土田山(どたやま)(私の近所にある何の変哲も無い低い山)なんだ!!」・・と言われたような気がしたのでしょう。

実は、私も、雲上の山頂を目指す陶芸家であります。 それも、かなりのめり込んでしまった陶芸家であります。

私の場合は、TVで物を見た瞬間、あほらしくなって、クレームをつける気にもなりませんでした。 あれなら、すぐまねできる。 何の秘密もない。なんの魅力もオーラもありません。従って何の価値もありません。 三好一統の歴史があればこその2500万円なのかなーっと・・。

それにしても、国宝並びの「曜変に間違いありません!」 には耳を疑いました。

世界に3つしかない日本の国宝なので、そうおいそれとは見る事ができないものです。曜変のなんたるかをご存じなかったのか、話題受けを狙っただけのパフォーマンスだったのか、とにかく、曜変天目がどういう物か世間の人々が知らないという事が、間違いの原因のような気がしました。 

少なくとも、頂をめざしている陶芸家が存在し、本当の耀変天目とは こんなイメージなんだ・・と私の作品を見て感じていただければ幸いです。(まだ、登山途中なのですが・・)


この下に国宝『稲葉天目茶碗』がありますが、さてどれが国宝でしょう?